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航海士がにらめっこする物の一つです(*゜▽゜)ノ

みなさん、こんにちは(*^▽^*)

弊社船”ニューくにさき”の一等航海士、ワダです(*^^*)

前回の記事から、またまたかなり期間が空いてしまいましたが
みなさんはいかがお過ごしでしたでしょうか?

梅雨が明けて夏らしいカラッとした天気とは言い難い日も多々ありますが、暑さそのものは夏らしいですし、熱中症対策などしっかりして夏休みやお盆を迎えて下さいね(^▽^;)

…と言っても、あと1週間もすると「 立秋 」を迎えますが…

ちなみに、「 立秋 」の日のニュースの天気コーナーなどで
アナウンサーが

「 今日は立秋、暦の上では秋に入りましたが、相変わらず暑いですね 」

などと話す事がありますが、これは間違いですので(^-^;

そもそも夏は”暑くなりつつある季節”と定義されており
暑さがピークを迎えると、その日を以って夏は終わりとなります。

暦の上では立秋が暑さの頂点となる為、徐々に暑さが緩むのは
その翌日からなので。立秋をそのように捉えるのは誤りと言う事です
(* ̄ρ ̄)”ほほぅ…

この辺は二十四節気を調べて頂くと分かると思います
(((uдu*)ゥンゥン


さてさて、前置きはこれくらいにして、今回は航海士の記事らしく



海図(チャート)について、少し書きたいと思います(*^^*)

海図(nautical chart)は、水路図誌の一種で航海の為に作られた
主題図 の事です(*゜▽゜)ノ

航海に必要な水路の状況、水深、底質、海岸地形、海底危険物
航路標識など、様々な情報が正確に見やすく表記されています(*^^*)

弊社船”ニューくにさき”を含む、一定規模以上の船舶には備え付ける事が義務づけられています( ̄。 ̄)ホーーォ。

ちなみに、自分たちが使ってるチャートがこちら↓


(見辛い場合は画像をクリックして拡大してみて下さい(^-^; )

山口県の徳山湾から大分県の竹田津港まで、周防灘を斜めに
縦断するようにコースが設定されています(*^-^*)

このコースラインを中心に、ちょっと歪な菱形のように迂回コースが設定されてますが、これは季節に因ります。

かなり前の記事でも説明しましたが、冬季は西や北西から強い風が
春季では東や南東から強い風が吹く為、このようなコースになる訳です(*^^*)

今では↓のようにレーダーに様々な情報が入ってて、海図を使う機会も減ってますが



前述の通り、チャートには水深や底質、潮流(の向きや流速)など
レーダーには無い情報が表記されているので大事なんですよね
(((uдu*)ゥンゥン

例えば、水深や底質は投錨する時に必要ですし、潮流はコースの修正で必要ですからね。。。o(゜^ ゜)ウーン

他に挙げると…↓は竹田津港付近なんですが



自分たちは夜間航行中、琵琶埼にある灯台を目印にします。

灯台はそれぞれが分かるように個別に特徴(灯質)を与えられており
チャートでそれが一目で分かるようになってるんですよ(^▽^)/

↑の琵琶埼灯台のマークの横に”Fl.3s 7M”とあるのが分かるでしょうか?

これはFl(短閃光:Flash)、3秒、光達距離7海里(約14q)と読み
「 3秒毎に1閃光、7マイル先から見える 」となります(*゜▽゜)ノ

ついでに、海の中にある数字が水深、魚の絵が漁礁、アルファベットが
底質となります(*^^*)

底質の一例として、M(泥)、Sh(貝)、R(岩)などで、投錨するのに重要なのが
そこにMがあるか(泥があると錨が効きやすい)などを見ます
(□。□-) フムフム

みなさんが夜間に乗船した時によく見かけると思いますが



姫島の灯台(柱ヶ岳鼻)の灯質は”Fl(4).30s 57m 20M”

これは30秒毎に4閃光、海抜57mの位置から、光達距離20M(約38q)

↓は徳山を出港して見える野島灯台です(^▽^)/



野島灯台の灯質は”Iso.6s 87m 14M ”

IsoとはIsophase:等明暗光、光ってる時間と暗い時間が同じと言う事で
6秒光って6秒消える、海抜87m、光達距離14M(約27q)となります(*^^*)


また、周防灘を横切るように推薦航路が走っており、こちらで使われているのが


(周防灘の場合は”周防灘○番”となります)

安全水域標識(浮標)です(*゜▽゜)ノ

この安全水域標識は、この水域は障害物が無く、周囲を安全に航行出来ると言う意味で
これを並べると推薦航路となり、浮標を中心として右側航行となります(*^-^*)

但し、あくまでチャートが”推薦”する航路ですので、赤や緑の浮標で囲われた
指定航路のような優先権や航法は無く、基本的に海上衝突予防法(左舷対左舷)の航法が適用されます。

これを勘違いしてる航海士が多い為に、海上での事故が多発してますが…(;´・ω・)



↑のチャートと↓の表を見て頂くと分かると思いますが、浮標の灯質は
8秒毎にモールス符号の”A(光り方がトン・ツー)”となってます(*^^*)



長くなってしまったので、今回はここまでとさせて頂きますが
いかがでしたでしょうか?

大きな港や船の行き来の多い水路では、様々な標識、浮標が設置されてますので
近くに大きな港があれば、↑の表を参考に見ても面白いと思います(´ー`*)ウンウン

ちなみに、横浜の”あるお土産”は包装用の箱に横浜港の廃盤チャートをデザインとして使われていますので、チャートが欲しいと言う方にはおススメです( ̄ー ̄)ニヤリ

[登録日] 2016/07/30 11:40 | 固定リンク | コメント(2)
  • ▼ コメント
  • 暑いですね。機関室はもっと暑いのでしょうね。皆様の頑張りに感謝です。あのブイは見た記憶がありますね。
    何気なくですが・・・
    瀬戸内の航路は海の大幹線ですから日々の危険もかなりのものと推測されます。毎日暑く大変かと存じますが、お体にご自愛し日々の安全に感謝です。
    投稿者: ポチョムキン |2016/08/07 17:51
  • ポチョムキン様コメントありがとうございます。

    本線航路のブイは竹田津港を出港してから40〜45分くらいの場所にあります。

    ブイの間近を通ることはほとんどありませんが、デッキに出ると肉眼でハッキリと確認することができますよ(*^^*)

    おっしゃるとおり、この付近は大型船が数多く往来するので、ワダくんをはじめニューくにさきの航海士さんたちはいつも細心の注意を払って航行しております。

    ちなみに機関室の中ですが、真冬でも40℃を超えるほど暑いので、夏だと当然それ以上になりますよね・・・。

    その中で働く機関士さんは本当に大変だと思います( ̄∇ ̄;)
    投稿者: フェリースタッフ豊田 |2016/08/08 12:50
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