みなさん、こんにちは(^▽^)/
弊社船「 ニューくにさき 」の一等航海士を務めております、
ワダと申します(*^^*)
10月末に書いた記事以降となりますので、かなり時間が開いてしまいましたが、みなさんは覚えておいででしょうか?
仕事上、たまにしかこのブログにお邪魔出来ないので、マイペースな記事となってしまいますが、皆さま宜しくお付き合い下さいませ(;^_^A アセアセ・・・
さてさて、4月に入り春も本格的にと言うところで、冬の時化も
一段落となりましたが…
意外にこの4月は季節的に天気が安定してる時期ではなく
皆さまもよく耳にされる”爆弾低気圧”によって、”先日7日のような
”春の嵐”と言う大時化になる事も多々あります(^▽^;)
今回は、ちょうど今の時期、大時化の日のワッチで自分が遭遇した
不思議な現象にまつわるお話を…
…とは言っても、怖い話と言うわけではありませんので
気軽に読んで下さいね(*゜▽゜)ノ
さて、みなさんは「 セントエルモの火 」と言うのをご存知でしょうか?
「 セントエルモの火」とは、悪天候時に船のマストなど
尖った物の先端で発火、発光する現象で、古来よりこの現象を
聖なる灯りとして、船乗りの守護聖人である聖エルモの名を
付けられました( ̄。 ̄)ホーーォ。
妖怪で有名な漫画家・水木しげる先生は海外の妖怪として
紹介してますね(*^^*)
「 セントエルモの火 」については様々な古典で書かれていますが
その一つ「 博物誌 」と言う書物に、古代ギリシアでは
発光が一つの場合は「 ヘレナ 」、二つの場合は「 カストルとポルックス 」と呼んでいたとあります(´ρ`)ヘー
ヘレナ(ヘレネとも)、カストル、ポルックスはギリシア神話の
「 白鳥座 」の話から登場し、父は大神ゼウス、母はスパルタ王妃レダと言う半神の美しい兄妹で、カストルとポルックスは後に「 双子座 」の神話の主役、英雄となります(*゜▽゜)ノ
神話の一つとして、ヘラクレス(ヘルクルス座)やアテナイのテセウス(ミノタウロス退治)、吟遊詩人オルフェウス(琴座)、天才医師アスクレーピオス(蛇遣い座)など、壮々たる英雄たちが参加したイアーソーンの「 アルゴ号探検隊 」にカストルとポルックスも参加し、アルゴ号が嵐にあった時に、この二人の頭上が光り、同時に嵐が止んだ為、二人は航海の守護神として崇められ、船乗りの間では「 セントエルモの火 」が二つ見えると凪になると信じられてました(*゜▽゜)ノ
逆に火が一つの場合は「 ヘレナ 」と呼ばれるのですが
これはヘレナが絶世の美女で、「 トロイの木馬 」で有名なトロイア戦争を引き起こした事から、乱を起こす=時化と考えられ、「 ヘレナ 」が見えると嵐や船が沈む前触れ、凶兆として恐れられました
(o;TωT)o" ビクッ
そして…
自分が夜中のワッチ(当直)に入ってる時に見たのがこの「 ヘレナ 」で、ちょうど”春の嵐”だったんですよね(^▽^;)
風も風速20m/s近く吹いてて、波も大きな夜に、急に船首の先にある
フラッグポールの先端から青白い光と言うか炎のようなものが…
(=゜ω゜=;) マジ!?
自分は(水木先生の本で)子供の頃から「 セントエルモの火 」を知ってましたし、練習帆船の「 日本丸 」に乗ってた時に士官から聞かされてたので、すぐに分かりましたが…
初めて見る方はビックリされるかもですね。。。o(゜^ ゜)ウーン
ちなみに、「 セントエルモの火 」を科学的に説明すると、尖った物体の先端で静電気がコロナ放電を発生させ青白い発光を起こすプラズマ現象で、その先端が正極の場合と負極の場合とでは形状が違います
(´ρ`)ヘー
コロナ放電の実験は学生の時にした事がある方も多いのではないかと(((uдu*)ゥンゥン
雷による強い電界が船のマストの先端(檣頭)を発光させたり、飛行機や船に溜まった静電気でも起こる事があり、放電による「 シュー! 」と言う音を伴う場合があります(*゜▽゜)ノ
確かに、船は航行による風や造波抵抗による摩擦で、船体に静電気が溜まってもおかしくはないですからねぇ(-ω-;)ウーン
自分が見たのもこれが原因ではないかとも思えます("゜д゜)ウムウム
とは言え、どうせ見るなら「 カストルとポルックス 」を見たいものですけど(;´∀`)ダヨネー
ネットで検索すると、飛行機の翼部分がプラズマで焦げてる画像が出て来るので、興味がある方は探してみて下さい(*^^*)
それでは、またの機会にお会いしましょう( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!